本当に寒い日が続いていますね。
この時期はお打ち合わせをじっくりとさせていただくことが多いです。
その中で避けて通れない問題について書きます。
何度か書いている気がするんですが、それくらい常にぶつかってしまう問題ということで書きます。
『持ち込み問題』
一般的な結婚式の準備をざっくりと夢のない言い方で言うと
『結婚式場や会場が提供する(提携業者の)商品・サービスを選ぶ』
ということになります。
提携業者の商品・サービスが売れた場合には会場へキックバックを渡します。
結婚式のサービスや商品の価格が割高に感じるのは、このキックバック分が少なからず影響しています。
カップルにとって、納得いくサービスを納得いく価格で提供できれば、本当に選ぶだけで結婚式の準備は終わります。
でも当たり前ですが、価値観はカップルによって様々です。
会場が納得いくサービスを納得いく価格で提供できない場合もあります。
そんな時にどうするか?
選択肢の一つとして、『持ち込み』があります。
具体的には、会場の提供業者の代わりに、カップルが望むサービスを提供できる外部業者を『持ち込んで』外部業者からサービスを受けるということになります。
そこでひとつ問題が生じます。
会場からすると外部業者を持ち込まれることで、収益が減ってしまいます。
企業としては当然持ち込まれないように対策をします。
その対策として、
・持ち込み禁止を契約書へ記載する
・持ち込み料の設定する
・外部業者に対して撮影制限する
などなど。
対策をするのは当然なのですが、カップルが納得していないのはサービスの質と価格です。
『持ち込み』への対策をしてはいるけど、カップルが納得するための根本の問題解決はしていません。
そのすれ違いが『持ち込みに関わる問題』として様々な状況を生んでいます。
その是非についてはカップル、会場、提携業者、持ち込み業者という立場によって違います。
このブログは未来のお客様に向けて書いているブログなので、ムービーを持ち込むにあたりこういうことがあります!ということを書いていきます。
持ち込み可能と持ち込み自由は違う!
まずは会場への確認が大事です。
式場と契約する時に持ち込みについてそこまで詳しく話すことはあまりありません。
『持ち込み可能と説明された』、とか、『持ち込みNGとは聞いてない』ということでお問い合わせを頂くことも多いです。
なので、実際に持ち込みたいとなった場合に初めて、持ち込みの条件について確認をすることも多いんじゃないかと思います。
持ち込み可能と説明されていても、詳しく確認することをオススメします。
確認すると、『持ち込み料を払えば、持ち込み可能です』ということも多いです。
また持ち込み料を払っても、提携業者じゃないと撮れないシーンがあるということも実は多いです。
なので、まずは持ち込みが出来るか?
その次に持ち込みにあたって料金がかかるか、制限があるかということの確認が大切です。
持ち込み料について
最近は持ち込みについて、完全に自由・無料という会場も増えてきました。
それでも一般には持ち込み料がかかる場合がほとんどです。
料金設定は様々です。
お客様が教えてくれた金額でいうと、3万円~10万円。
持ち込み料の金額の根拠はきっと様々あるのでしょうが、10万円という価格についてはどういう根拠があるのか?一度聞いてみたいなといつも思います。
また持ち込み料の掛かり方も様々です。
通常はスタッフが何名でも『ムービーの持ち込み』ということで、設定されていることが多いです。
ただし会場によっては、スタッフ一人に掛かる持ち込み料を設定している場合もあります。
スタッフが2名になると持ち込み料×2ということです。
例えば、撮ってだしのエンドロールで撮影する人と編集する人の2人の場合は2名分の料金が掛かってしまいます。
なので、持ち込もうとしているサービスが何名のスタッフが必要なのかを把握しておいた方が良い場合があります。
持ち込み料を払っても撮影できる範囲に制限がある!
持ち込み料を払えば持ち込めるという場合でも、提携業者と同じように撮れるとは限りません。
・ブライズルームNG
・ロケーション撮影がNG
・挙式は撮影NGまたは撮影ポジションの制限を受ける。
などなど。
このあたりは実際に『持ち込む』となった場合に条件として提示されることもあります。なので詳しく確認をしておいた方が良いです。
特に挙式NGやポジションの制限が受ける場合は出来上がる映像に大きく変わります。
発注する外部業者にもよく確認をした方が良いです。
制限の中でどんな映像が残せるのかをしっかり見極める必要があります。
実際にウチキフィルムにご依頼いただいた場合でも、挙式だけは会場のビデオカメラマンが撮影するということも時々あります。
持ち込み料以外の持ち込みパターン
持ち込み料が高額過ぎて予算オーバーになるけど、それでも外部業者を入れたい!という場合があります。
そこで会場がカップルへ提案する折衷案として、外部業者にゲストとして席を用意することを条件に撮影がOKとなる場合があります。
もちろんこの場合は、スタッフ一人に一人分の席料となります。
この場合も色々とパターンがあります。
ゲスト扱いだけど、提携会場のカメラマンと同じようにブライズルームやロケーションも撮れる場合もあります。
反対にまったくゲストと同じように挙式を席から撮影したりすることを求められる場合もあります。
ゲスト扱いという意味では、撮影中に席にお料理が出る場合もあります。
事前に「食べている暇がないです」ということを伝えても、構わずに出てくることが多いです。
本当にもったいないです。
でも、極々稀に撮影後に別室で!という夢のようなおもてなしもあります。
(できればいつもそれが良い!)
持ち込み料以外に掛かってくる料金
・スクリーン&プロジェクター使用料
撮って出しのエンドロールを上映する場合に会場のスクリーンやプロジェクターを使用する必要があります。多くの会場では、無料または会場使用料に含まれることも多いかと思います。
ただし、有料のところももちろんあります。
多いのは会場提携の業者のエンドロールやプロフィールは無料で上映、持ち込み業者のものは有料という場合。
知っている範囲での最高額は7万円で、撮影自体の持ち込み料の倍以上でした。
確かに上映というのは、実はかなりリスクがあるし、手間も掛かります。
結構大変な仕事です。
だから無料じゃなくても良いとは思います。
ただし、高額になる場合は早めに説明しておいて欲しいなと思います。
持ち込みがOKだから、お気に入りの外部業者に問い合わせたのに、よくよく確認したら持ち込み料よりも高いプロジェクター使用料が発生することがわかったときのカップルの気持ちを少し想像して欲しいなと思います。
・音声ラインのセッティング料
通常の撮影ではキレイな音を収録するのに音響卓から音声を直接録音させてもらうことが多いです。無料のことも多いですが、追加料金が発生する場合があります。
過去の事例だと3,000円~10,000円という感じです。
ウチキフィルムの場合は映像のクオリティーにこだわっているカップルが多いので、ご負担いただけることが多いです。
結婚式のほかの料金に比べるとそこまで高額ということはないようです。
でも、持ち込み料にあらかじめ入れておいて貰えると話が早いのにな、とも思います。
有料であることで、割れていたりノイズが多かったりという心配はしなくて良いのと、ちゃんとセッティングの時間を設けてくれるので、安心ではあります。
以上、ムービーの撮影を持ち込む場合に出てくる問題をまとめて書いてみました。
『持ち込み問題』に関するウチキフィルムのスタンス
結びにウチキフィルムにとっての持ち込み問題についても書いておきます。
ウチキフィルムは持ち込みで結婚式当日のムービーを撮影する業者です。
高額な持ち込み料や撮影制限で撮影できる会場が限られたり、受注が難しくなることは確かに多いです。
それでもありがたいことに信頼して任せてくれるカップルもいます。
打ち合わせでカップルが教えてくれる会場との交渉の話の中に持ち込みし易くしたり、持ち込みの条件を改善するテクニックもあります。
でも数年やってみてわかるのは、結局カップルがどれだけ持ち込みたいか?が最終的に一番大切な部分なのかなと思っています。
だから、そういう『持ち込みたい』業者になることが一番大切なんだと思います。
持ち込み業者である以上、毎回条件が違います。
撮影前に出来る限りの不利な条件を改善していきます。
改善がどうしても難しい場合は前撮りを通して補っていきます。
そうやって出来上がるものの質を自分の納得できるものにしていくこと、与えられた条件になりゆきのまま妥協するのじゃなくて、その中でいかに自分の個性や能力を示すのか、そのことを常に考えています。
必死です。
イージーな現場はありません。
ウチキフィルムのウェディングムービーは撮影会社のためでも、プロデュース会社のためでもなく、ただカップルのためだけに作っています。
そのスタンスを貫く以上、おそらく『持ち込み問題』とはずっと付き合っていくことになりそうです。
まぁ、大変。
でもやりがいはあります。
一つ一つの撮影が非常に濃いです。
さて、今週末は1月にしては珍しく、慌しい土日になりそうです。
久しぶりのコテコテの専門式場で、頑張ってきます!
ウチキフィルム 打木 健司
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