2016年9月14日水曜日

結婚式のムービー撮影の打ち合わせで最初に決めること

雨が続いたりして、すこしずつ秋の気配がしてきましたね。
秋はウェディングのシーズン、10月11月のお客様との打ち合わせで平日もいろいろなところへ伺っています。
ウチキフィルムの打ち合わせは、お客様の都合の良い場所を設定してもらって、そこへ行くというスタイルです。

知らない場所へ行くのが好きだし、どんな場所を設定してくれるかということで、これから打ち合わせをするカップルについてのヒントになればいいなとも思っています。

打ち合わせの際には当日の撮影について色々とお話をするのですが、まず決めることがあります。

それは『挙式の何時間前に会場へ行くか?』ということ。

ウチキフィルムの入り時間は「なるべく早く!」


提携の業者として撮影してた時は挙式の2時間前入りというのが普通でした。
はじめて行く会場ならもう30分早く行って、色々見て聞いてといった感じ。
挙式の1時間10分くらい前にお仕度が終わったブライズルームに入って、『はじめまして』と挨拶して、フェイク(やらせ)でメイクシーンを5分くらい撮ってという感じ。
事前に2人のことを知るための資料は披露宴の進行表のみ。
それすらも当日に会場に行ってから、ようやく貰えて、目を通す間もなく撮影スタートだったり。
2人らしさを表現するにはとても難しい状況でした。
入り時間というよりはブライズルームに入れる時間が、会場側との申し合わせやメイクさんとの力関係みたいなもので決まっていて、あまり変更の余地のない事柄でした。

ウチキフィルムでは持ち込み業者として撮影しますので、都度打ち合わせで決めます。
毎回状況は異なっていますが、一貫しているのは、なるべく早く撮影現場に入ること。
持ち込みで撮影させていただくようになって、どのタイミングで会場に入るかを2人の要望として会場側に掛けあえるようになりました。
なので、迷惑にならない範囲で、可能な限り早く会場にお邪魔しています
だいたい、2人が会場入りする少し前くらいの時間には現場にいるようにしています。

もちろん会場によっては前後の挙式の関係で入り時間がギリギリに設定されることもあるので、いつもそれができるわけではないのですが出来る限りはそうしています。

どうしてそんなに早く現場に入りたいのか?
それにはいくつかの理由があります。

早めに会場に入りたい理由


①アイテムをしっかり撮りたい。

物撮りをしっかり撮ろうとすると意外と時間が掛かります。
一つのアイテムにつき、アシスタントがいても10分くらいは掛かります。
もちろん時間を掛ければ、掛けたほどより良いものが撮れます。
ビデオグラファーの立場で言えば、現場に入るのに早すぎるということはありません。


シャングリラホテル東京でのウェディングドレスの撮影
ドレスの撮影の時に陽の光が降ってきました。

アイテムの中でも、特にドレスは新婦が着る前に撮るというタイムリミットがあるので真っ先に撮っています。

②会場の外観も撮っておきたい。

持ち込みのカメラマンなので、撮らせていただく会場はほとんど初めての場所ですし、すべて新鮮です。
おそらくはゲストの目線でもそうだと思います。
2人にとってはもちろん結婚式を挙げる会場は『特別な場所』です。
なので、会場の外観を撮るということも意味があることだと思っています。

瀬田教会の外観
新婦が子どものころから通っている教会という『特別な場所』でのウェディング

③ドレスアップする前の2人の感じも出来れば撮っておきたい。

ウチキフィルムでは前撮りを通して、私服姿の2人を撮っています。
その時は出来るだけいつもの2人らしさを引き出したいと思っています。
とはいえ、当日の2人はやっぱり特別な緊張感があるので、その特別も撮っておきたいなと思っています。
特に新郎が新婦のメイクを待っている時のソワソワ感が好きで、よく撮っています。

日比谷パレスでの新郎新婦によるテーブルの準備
メイクの前の準備風景なんかも撮れると嬉しいです。

④とにかくいっぱい撮りたい。

はい、これが本音です。
①~③まで、いろいろ撮りますが全てのカットをハイライトで使用するかと言えば、そうでもありません。
無駄なこだわりなのかもしれません。
でも撮ります。たぶんこれからも。
なぜか?

説明のために一回、脱線します。

『ウェディングムービーの質を決めるのは何か?』という問いがあったら作り手としてどうこたえるか?
ビデオグラファーによって、色々な考えがあると思います。
どんなカメラやレンズを使ってるかとか、ドローンやジンバルを使ってるかで判断する人もいます。
当日、撮影するビデオグラファーの人数で評価するかもしれません。
撮影するビデオグラファーの経験やセンスや知名度を重視する人もいるでしょう。
僕が考える「ウェディングムービーの質を決める一番の要素」は「編集に掛ける時間」です。

編集とは映像素材に意味を与える作業です。
ウェディングムービーを作るうえで、一番クリエイティブな作業で、とても時間のかかる作業です。
素晴らしいカメラで撮られたクオリティーの高い撮影素材があっても、編集でその素材の一つ一つに意味を持たせられないなら、観る人の心に触れることが出来ません。
限られた時間(1日とか?)での編集作業は「作っている」というよりも、「処理している」という感覚が近いのかもしれません。
例えば、事前に意図をもって撮影していれば、クオリティーを維持しつつ、編集作業の時間は少なくできるかもしれません。
ただし、それは【撮影前の意図を形にしたもの】が効率良く出来るだけです。
意図を持って撮って、編集作業ではその意図を疑って、意図を超えるアイデアを形にすべきなんじゃないかと思います。
そこにはどうしたって時間が必要です。

そんなわけでウチキフィルムは比較的長い時間を編集に掛けています。
ただ、編集に時間を掛けるにあたっては、やっぱり素材が必要です。
順番を組み替えて、素材に新しい意味を加えるにも、そもそも自由に組み替えられるだけの素材がないとゴールは定まってきてしまいます。

だから、撮影の時はとにかくいっぱい撮りたいです。
いろんなシーンを、出来るだけ多く。なるべくきれいに。
そのことによって、編集で新しい何かが生まれる土台がやっとできるんじゃないかと思っています。
それはより良いウェディングムービーを作る基礎になります。


どうして、なるべく早く現場に入るか?
長く書きましたが、実はとても単純明快です。
『ただただ質の高いウェディングムービーを作りたいから』です。

それは作り手の幸せですし、お客様の幸せにもつながると信じています。

こんなスタイルに共感してくれるお客様からのお問い合わせをお待ちしております。
宜しくお願いします!



ウチキフィルム 打木 健司
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