GWが終わり、結婚式の業界はいよいよ本格的な春の繁忙期です。
今回のテーマは結婚式の内容に応じた機材選択!
はい!カップルのためというよりは、ウェディングビデオグラファーに向けた経験のシェアになります。
かなりマニアックな内容なので、内容がすっと分かる人も限られるかもしれません。
この内容を書く理由はいくつかあります。
ひとつはまさに普段の仕事の話なので、繁忙期でもすぐ書ける。
もうひとつは機材選択というのは、ビデオグラファー同士でよくテーマになる話題だからです。
どんな機材が良いかというざっくりとした相談を受けることがよくあります。
相談されると率直に困惑することが多いです。
完璧なカメラやレンズなんてないからです。
使うべき機材というのは撮影すべきもの、撮影したいもの、撮影できる環境に常に左右されます。
まず機材を考える上で要素を4つ書いておきます。
・どんな映像を撮る必要があるのか?
サービスとしてお客様に伝えていることによって機材選択は変わります。
記録的な内容なのか?撮ってだしをするのか?後日納品なのか?
誰かにアドバイスを求めるときにはこの部分が共通していないと逆効果になる場合があります。
・持ち込みの状況や会場のホスピタリティー
機材のセッティングをして、カメラバックなどを置いておける場所があるのか?
あるいはすべての機材やカメラバッグを持って動かないといけないのか?
これによって持っていける荷物の総量が変わります。
また挙式時に移動できるかどうかでレンズ選択が変わってきます。
・会場の広さ、明るさ
広い会場なら望遠よりのレンズが必要ですし、狭ければ広角よりのレンズが必要になります。
暗ければ開放値が明るいレンズが必要です。
逆に日中のガーデンですべて進んでいくのなら、NDフィルターが必要です。
・一組一組の結婚式に応じた撮影プラン
お客様からのご要望だったり、結婚式のテーマを形にするために撮影プランを考えます。
それは結婚式に数だけ存在します。
そのプランに応じて、当然機材選択も変わります。
そんなわけで今回は先週の土曜日に撮影した具体的な案件に対して、どんな機材を準備したのか?を書いていきます。
今回の結婚式の詳細について
サービス内容(撮るべき内容)
5分のショートムービー+45分程度の当日映像
ショートムービーには当日のスピーチや手紙、誓いの言葉などの音声を使います。
ウェディングの内容
屋外のテラスがあるレストランでの装飾豊かなオリジナルウェディングの持ち込み撮影。
挙式:屋外
披露宴:半分屋外、半分室内
時間帯としては夕方~夜
特記事項
アシスタントカメラマンと2名で撮る。
会場入り時間から挙式までが約6時間。
屋外の照明設備はほとんどない。
音響さんとは連絡済みで音響卓からICレコーダーでの録音は可能。
撮影内容から考えられること
屋外の時間帯が長いのでNDフィルターが必須。
レストランなので、スペースはそこまで広くない。
装飾をしっかり撮るための時間と機材が必要。
会場入りからの披露宴結びまでが長いので、バッテリーと記録メディアの管理も大切。
照明がない状況での夜の撮影が必要となる可能性がある。
カメラ!カメラ!カメラ!
パナソニックのGH5、1台。
同じくパナソニックのGH5S、2台です。
カメラの特性の違いを軽く触れておくと、GH5は強力な手振れ補正が付いている反面、暗所には弱い(ノイズが出る)カメラです。
GH5Sは手振れ補正が付いていない代わりに暗い場所に強いカメラです。
GH5は手振れ補正がついているので、メインカメラとして動き回って撮るカメラとして使用します。
GH5Sの1台は三脚などで固定してスピーチを長まわしするカメラとして使います。
もう1台のGH5Sはジンバルに乗せて移動撮影に使います。
今回の場合は、状況により暗闇の中での撮影が必要になるので、ジンバルから一脚に乗せ換えてのメインカメラとしての撮影も想定しておきます。
バッテリー、10個です。
GH5の場合はバッテリーは1時間1個くらい消費するイメージです。
通常の結婚式であれば10個あれば現場でも充電しなくても大丈夫ですが、今回は挙式まで6時間という超イレギュラーな案件なので、現場で充電しながら撮影していきます。
足回り(三脚・一脚・特機)
画像、上から一脚・三脚・スライダー(40cm)・電動ジンバルです。
GH5とGH5Sをメインカメラを運用するのに一脚を持っていきます。
スピーチなどを長まわしで撮影するために三脚とスライダーはセットにして使います。
レストランウェディングの場合は三脚は不向きですが、今回は装飾や小物を撮ることも要素としては大切になってくるので、スライダー運用のためにあえて三脚を使用しました。
あとは移動撮影用のジンバルです。
電動ジンバルは重量があるので、長時間移動しながらの撮影には不向きです。
ただし今回は移動は少ないので特に問題になりません。
レンズ
案件により持って行くレンズは基本的に変えません。
レンズの一つ一つがそこまで大きくないので、全部持っていけます。
この辺はマイクロフォーサーズのメリットです。
基本的には単焦点の明るくボケ味を作れるレンズをメインで使っています。
ズームレンズはスピーチなどを長まわしするカメラ用に使っています。
NDはND16を使っています。
可変NDは色味や解像度の問題があるのと、操作しなければならない要素が増えるので使用しません。
音声の録音機材
ラインを録音するのにタスカムのICレコーダー(DR40)を使っています。
ケーブルは大体カメラマンが用意することになっているので持って行きます。
マイクはメインのカメラに使うマイクとスピーチの長まわし用のマイクの2本を持っていきます。
マイク単体でレコーダーの役目を果たせるもの(VR83F)をメインとなるカメラで使用します。
コードが断線しても音声が録音できるという安心は大きいです。
カメラに収録する音声よりも綺麗に録音できるので、いざというときに使える音声の選択肢を増やしてくれます。
今回はさらにファーストミートがあったり、挙式が人前式だったりなので、念のためピンマイク(DR10L)も用意しておきます。
ファーストミートはサプライズの手紙を読むことがあったり、人前式ではマイクを使わず誓いの言葉をしゃべったりすることもあるので、用意だけはしておきます。
今回は以上のような機材で撮影に望みました。
撮影の内容と出来上がりは後日、完成後に紹介させていただきます!
また今週(5/13~5/19の週)、前撮りロケーションといわゆるレストランウェディング(すべて屋内)の案件があるのでシリーズで書いてみたいと思っています。
まだまだ繁忙期は続きますが、発信は続けていきたいと思います。
よろしくお願い致します!
ウチキフィルム 打木 健司
ウチキフィルムのホームページはこちら↑ |