2018年5月28日月曜日

結婚式の前撮りロケーションでのムービー撮影の機材について GH5/GH5S

5月も終盤ですね。
結婚式の撮影だけでなく、いろいろな仕事が5月末~6月に集中していて、今頑張りどころという感じになってきています。
ブログもできれば書き続けたいと思います。
今回は最近書かせていただいている撮影機材についてのブログです。

前撮りロケーションでの機材について


結婚式のムービーの前撮りでどのような機材を用意をするかという情報はほとんどありません。
ムービーの前撮りが少しずつ広がればよいなと思うので、情報としてシェアできれば嬉しいです。
1年に40件くらいはムービーのロケーション前撮りをしていますので、経験談としては有益かなと思います。

前撮りの撮影で機材を決める要素は次の3つです。

①撮影の意図、撮影するもの。

一番大事なポイントです。
まず考えるのは何を、何のために撮るか?
大切なのは撮影する上での狙いであり、その狙いを実現するために機材を選びます。


②移動手段


ウチキフィルムは基本、電車と徒歩で移動します。
なので、前撮りの際は持ち歩いて撮影できるだけの機材で撮影します。
お客様が移動のために車を用意してくれる場合は比較的重い機材も持っていけます。
撮影の意図は一番大事ですが、移動だけでヘトヘトになってはせっかくの機材も使いこなせません。
移動手段にあわせて、機材を選択するのも大切です。


③ロケ場所

私服での撮影の場合は、撮影場所はご自宅だったり海だったり、職場だったりさまざまです。
狭い、広い、暗い、明るい、などにあわせた機材選択が必要です。
狭い場合は広角レンズ。
広い場合は望遠レンズやスタビライザー。
暗い場合は単焦点レンズや場合によっては照明。
明るい場合はNDフィルターなどのフィルター。
など、それぞれ機材の重要性が高まります。
カメラバッグなどを一時的にでも置いて撮影できるかどうかも機材の総量に関わって来ます。
一箇所で完結するか、何箇所も回るかによっても、移動の負担が変わるので持てる総量は大きく変わってきます。


基本的には以上、3つの要素で決めています。
①を決めて、②・③と考慮して、現実的な運用を考えていく形になります。
①の実現が難しい時にアシスタントを呼ぶということも選択肢の一つとなります。



【今回のケース】

今回の撮影場所は2箇所。

・ご自宅
2人の趣味やご自宅での雰囲気を描く。
インタビュー・音声は撮らない。

・近所の広場
小さな頃の写真を使った撮影。
インタビュー・音声は撮らない。

時間帯は午後~夕方くらいまで。
ご自宅~広場までの移動は徒歩。

全部の撮影時間は2時間くらい。
ウチキフィルムのロケとしては短め。


機材選択で意識したこと


ご自宅撮影の場合は、空間的に2人を動かせる範囲が少ないので、カメラ自体が動けるように準備する。
基本は室内なので狭さに備えて、広角側のレンズを用意する。
室内の物撮りもありえるので寄れるレンズを準備する。
移動は短く、外でのロケーションでの撮影も動きまわるものではないので、機材全体の重量は重くても大丈夫。


【実際に持っていった機材】

カメラ!




メインで撮るカメラにパナソニックのGH5、ジンバルに乗せて撮るカメラに同じくパナソニックのGH5Sを使います。
2台用意するのは、単純に予備という意味もあります。
GH5は暗所に弱いということで有名?ですが、何かしら光源のある撮影ならほとんどの状況で対応可能です。

レンズ




今回はドキュメンタリーの要素はないので、単焦点で撮影していきます。
持っている中で一番広角が35mm換算で20mmの単焦点を持っていきます。
ノクトンシリーズのレンズが寄れるのでマクロレンズ代わりに物撮りなどで使用します。
ロケがあるので、NDフィルターも持って行きます。


足回り(三脚・一脚など)



ジンバル
ビデオ雲台(ベルボンの丸いやつ)・一脚・一脚ホルダー
スライダー(40cm)

今回は移動が少ないので、ロケーション前撮りとしてはかなり多めです。
メインカメラで使う一脚は普段の結婚式で使うものより、軽くて小さいものを使用します。
地面に足を付けて使うのではなく、腰のベルト辺りに一脚ホルダーを付けて一脚を固定して使います。
手振れ補正のついたカメラを使うことで、不安定さはほとんどなくなります。

ジンバルは室内でも動きのある映像を撮るために使います。
スライダーは物撮り用です。
スライダーは三脚と組み合わせて使うことが多いですが、ロケの場合は三脚を割愛して、現場にある椅子やローテーブルなどで代用します。

今回はインタビューなど音声は撮らないのでガンマイクやピンマイクは持って行きませんでした。
持って行かないものを明確にするのも大切なポイントです。


機材以外に持っておくもの。


ウェットティッシュ。
一脚や三脚などをお客様のご自宅で使用する場合は、ウェットティッシュで足部分を拭いてから使用します。

レジャーシート。
お客様の荷物をおいてもらうために必要になる場合があります。

虫除け。
時期とロケーションによりますが、そろそろ必要かなという時期ですね。
緑の多い場所や水辺などでは持って行った方が良いです。

なんだかキャンプやピクニックに行くみたいですが、同じ感覚で臨んでもそんなに外れてないかもしれません。

【機材よりも大切なこと】


以上、ロケーション撮影時の機材の話でした。
今回は撮影終わりにカップルとご飯を食べに行きました。
実は今回は前撮りではなく、挙式後の後撮りでした。
正確に言うと、前撮りをして、当日撮って、後撮りもしたという感じです。

打ち合わせだけでなく、前撮り・後撮りをするメリットというのは、もちろん映像的に豊かな表現ができることにあります。
もうひとつ、コミュニケーションの部分も大きいです。
実際に一緒にご飯を食べる中で『結婚式の当日にウチキさんの顔が見えてなんか安心しました』ということをお話してくださりました。
本当にいつもそういうスタッフでありたいと思います。

撮影する側にもカップルを知っているかどうかは大きいです。
人が人を撮る関係の中では当然です。
ふたりでいるときの雰囲気、オンとオフの感じ、演出に対する反応や撮り手の意図の汲み取り方。
一組一組で違っています。
それを挙式当日に知っているかどうかで撮れる映像はまったく変わってきます。

機材はもちろん大切だけど、それ以上に大切なものはカップルに対してどう向かい合うか?
機材はあくまでそれをサポートしてくれる道具に過ぎません。

そういう気持ちでこれからも撮影を続けていきたいと思います。
今後ともウチキフィルムをどうぞよろしくお願い致します。

ウチキフィルム 打木 健司

ウチキフィルムのホームページはこちら↑



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