2017年6月1日木曜日

結婚式の撮ってだしエンドロールで大切なこと

6月に入りましたね。
このブログをご覧頂いてる方の中には、秋の結婚式へ向けて映像についてご検討中の方もいらっしゃるかと思います。

なので、今回は結婚式の映像の中でも定番の一つ、【撮ってだしエンドロール】について考える上で大切なことを書かせて頂きます。


2006年の9月からこの業界で仕事を始めました。
最初に一人で仕事らしい仕事を任されたのは、一ヵ月後(10月)の撮ってだしエンドロールの編集でした。

・撮ってだしエンドロール
・当日エンドロール
・ライブエンドロール

言い方は様々ですが、この10年の間ですっかり定番の演出になりました。

ウチキフィルムだとこんな感じです↓



さて、結婚式のエンドロールで大切なことは何か?
それは【クオリティー】だと僕は思っています。

結婚式の定番演出!


結婚式の定番演出というものは、別にやりたくなければ(必要と思わなければ)やらなくてもいいんです。

ケーキ入刀のないパーティーやお色直しがない時もあります。
お手紙を読まない花嫁だっています。

定番といわれたものも結構なくなったりもします。
媒酌人とかは3回くらいしか見たことがないです。
というか、こんな話をすると媒酌人ってなんですか?と聞かれることの方が多いかも。

僕が撮影を始めた頃は当たり前だったのは、キャンドルサービス。
再入場の後には各テーブルを回ってキャンドルの火をつけて回って、メインキャンドルに火をつけるというイベント。
もちろん今でも現役バリバリな会場もあるかもですが、随分見る回数は減りました。

エンドロール自体、エンドロールと言っても、最近はゲストの名前を上映しないことだって実はかなり多いです。
ウチキフィルムではこの春シーズンにゲストの名前を上映したのは1回だけでした。

結婚式で何か演出をするときには、まずなんのためにやるのか?を考えることが大切だと思う。
【そういうものだからやる】というのは、儀式・挙式の部分だけでいいんじゃないかと思います。

結婚式のエンドロールを何のために上映するのか?


販売のための文句として思い浮かぶのは、
「披露宴の退場後お見送りまでの準備の時間にもゲストに楽しんでいただくため」
ということ。

じゃあ、退場後お見送りまでの準備の時間にエンドロールがないとゲストは楽しめないのか?
そんなことはないです。
2人が退場して、すぐ今日の日のことを隣に座っている誰かと話したくなるような、そんなパーティーにすれば良いんじゃないかと思います。
(それって最高ですよね。)

エンドロールはあくまでもゲストを楽しませるための選択肢の一つ。


撮ってだしエンドロールに期待しているものは何か?


撮ってだしエンドロールの出始めの頃。
すごく単純に挙式の映像がもう編集されてスクリーンに映ってる=「スゲー!」でした。
10年前はそうでした。ただそれだけで感動してもらえました。

次に2つの方向で進化します。

まず一つは収録範囲。
挙式までの収録でも「スゲー」となっていたものが、ジワジワ収録範囲が伸びて、今はお色直し入場くらいまではどの業者さんも対応してくれます。

収録範囲が伸びると、編集の都合上、記録ビデオの素材を使うことに無理がでてきます。
撮ってだし用の撮影が必要になりました。
その結果として収録範囲が伸びたということ以上に大きな変化をもたらしました。
撮って出しのカメラマンは記録撮影から解き放たれて、自由に動き、様々なアングルや構図、たくさんの表情を撮影しはじめました。
そんなわけで人気の演出、定番の演出という地位を固めていきました。

定番になると、当日の映像が上映されている=「スゲー!」とはもうなりません。
そこは感動のポイントではなくなりました。

当日の映像が上映されること自体はもちろん楽しんでくれます。
自分や自分の友人、新郎新婦の姿が大きなスクリーンで映し出されて、それをみんなで見るのは、やっぱり楽しいものです。
でも、それ自体はどの結婚式でも体験できます。
2人の結婚式の出来事として特別に記憶されるものではなくなっています。

そんな現状で、エンドロールを上映する上で大事なことは何か?

大事なのは撮ってだしエンドロールが上映されるということではなく、
【どんなエンドロールが上映されるのか?】です。
もっと言えば、映像そのものが感動的であること、素敵であること、印象的で目が離せないものであることです。

つまりは【映像のクオリティー】の話です。

確かに自分の親しい友人の顔が映っているのは楽しい。
でも、それ以上じゃないと今はいけないのかなと思います。
例えば、友人と一緒に爆笑しているとこって実は見れていない。
だってそういう時は自分も笑っているから。
だから、ぱっと親友が爆笑している顔をスクリーンで見るのはすごく印象に残るはずです。
涙も同じ。
友人が涙している顔をマジマジと見ようとすると気まずいし、そんな人はいないとは思うけど、スクリーン越しならただただ共感できるし、感動する。
大事なのはただ人の顔が映っているだけじゃない撮影・編集がされているか?

もう一つは自分たちが観たことのない2人が映っているか?
基本的には当日エンドロールはさっき観たことが映っている。
悪く言えば新しい情報は少ない。
だから、ゲストが見てこなかった2人の表情やシーンが映っているのかはとても大事な要素です。
ずっと目を離さず見ていたくなる要素です。

2人にとっての撮ってだしエンドロール


次に別の視点で考えてみます。
それは撮ってだしエンドロールを実際に注文するカップルの視点です。

撮ってだしエンドロールはカップルにとって一番早く見れる当日映像です。
それは結婚式の長い準備を終えて、最高の一日を過ごしたその夜にはもう見ることが出来ます。
これは人生の中でも特別な経験です。
その経験は宝物のように大切な時間になることもあるでしょう。

ひょっとしたら、カップルによってはそれが唯一のプロによる当日の映像かもしれません。
そうなるともう、それは結婚式の「演出」ではなく人生の「記録」なのかもしれません。

その次に見るときは、どう見るでしょう?
もっと細かく、情報や記録としても見るはずです。
【こんな結婚式だったんだ】という見方です。
その時に大事になる事は何か?

それはその映像に『何が』『どんなふうに』映っているのか?
これもまた【映像のクオリティー】の話です。

結婚式で自分たちが重視してきた内容が反映されているか?
期待したシーンが期待通りに素敵に映っているか?
もっとシンプルな部分で言えば、自分たちにとっての大切な人が映っているか?
どんな表情で、どんな気持ちでその時間を楽しんでくれたのか?祝福してくれたのか?

当日の全部が映っていなかったとしても、大切な人との記録が映像としてあることが人生の推進力のようなものになるんじゃないかと思います。

撮ってだしを『映像演出』という位置づけ書きましたが、実はそういう枠を当の昔に超えているのかもしれないなと感じているのも事実です。
結婚式の映像の撮影=撮ってだしエンドロールという感覚のカップルも多くいます。

もし、当日の演出以上の何かを撮ってだしエンドロールに抱いているなら、その場合でも大切なものはやっぱり「クオリティー」です。
なぜなら、当日の撮ってだしエンドロールがカップルにとって、手元に残る映像の全てになる可能性もあるからです。


映像のクオリティーは会社やビデオグラファーによって違う!


例えて言えば、スーパーマーケットのパックの寿司も、100円の回転寿司の寿司も、銀座の寿司も、寿司は寿司です。
寿司を作ることでお金を得ている誰かがいるので、全てプロの寿司と言って良いでしょう。
でも、同じでしょうか?

プロ・業者が作るという撮ってだしエンドロールも同じです。
作る業者によって色々と質の違いがあります。
残念ながら、いまだにひどいクオリティーの映像も多くあります。

さらにお寿司と違って厄介なことがあります。
お寿司ならある程度は、価格や看板(販売している場所)で判断ができます。
でも、撮ってだしエンドロールはそういうわけではありません。
会場で販売している、価格も高額な撮ってだしエンドロールのクオリティーが必ずしも良いものとは限りません。
特に秋シーズンは会場・提携会社によっては人手不足でかなりクオリティーが乱れます。
10年前の僕のように9月に撮影会社に入って、10月に現場に出てしまうカメラマンもきっといるでしょう。(笑)

多分ココまで読んでいただけた方は結婚式の映像には興味・こだわりのある方だと思います。
もしそうなら、まず色々な映像を見て自分たちの好みの撮影会社・ビデオグラファーを探すことをオススメします。
全てのカップルがその2人にとって必要で、宝物になるような撮ってだしエンドロールに出会えることを願っています。

9月10月11月のお問い合わせ・ご予約をお待ちしています。
もちろん、夏シーズンの対応も可能ですのでお気軽にお問い合わせください!

ウチキフィルム
打木 健司
ウチキフィルムのホームページはこちらから↑






映画の中の結婚式について

12月31日。 大晦日。 仕事柄、秋は忙しく日々が過ぎ去っていくので、10月くらいには夫婦で『正月が楽しみだねー』なんて話をしています。 大晦日の夜から元旦とおせちを作って食べて、お酒をのんで、雑煮を食べてという毎年のお正月は、夫婦にとって大切なひと時です。 お正月の特...